| 脇ゆかり さん (株式会社アルク・「月刊日本語」編集長) |
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現在月刊日本語の編集長をしていらっしゃる脇さんは、もともと本を作る事に興味があり、大学ご卒業後、大手旅行会社の出版事業部に勤務されていました。一方で、大学時代より日本語教師というものに漠然と関心があり、420時間の養成講座を受けた経験もあるとの事。2000年より現職に就かれおりますが、お仕事柄、多くの日本語教育に関わる方々とお会いしているそうです。今月はそんな脇さんに、普段感じている日本語教師像やその環境、日本語教師へのステップ等についてお伺いしました。 |
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■■ 魅力あふれる人ばかり
「一生付き合って生きたいと思える人が多いんですよ!・・・。仕事柄、日本語教育に関わる方とお会いすることが多いのですが、共通して感じることは、皆さん人間的に本当に魅力のある人ばかりなんです。話をしていて自分にプラスになることが多いです。」と、語る脇さん。
なぜそんなに魅力のある人が多いのだろうか。
「きっとそれは、この業界自体が未成熟なので、日本語教育に携わる人達で何事も作り上げていかなければいけない環境下にあるからではないかと思います。そのため、良くも悪くも人間同士のぶつかり合いがあって、それでも何とか前に進めなければいけないという責任とパイオニア精神があるからこそ、魅力的に思えるのではないでしょうか」
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■■ 24時間ずっと日本語教師
日本語教師の方々ともよくお会いする機会がある脇さんですが、脇さんが知っている日本語教師ってどんな人たちだろう。
「私は、お芝居が好きで、よく舞台に足を運んでいたのですが、日本語教師という職業は、ある意味パフォーマー的な要素が求められるのではないかと思います。自ら脚本を書き、演出もし、『日本語』という武器を使って教室と言う舞台で『演じる』、そして、その反応がダイレクトに返ってくる・・・。これは、まさしく舞台と同じだと思うんですね。」
現役の日本語教師たちに取材をすると、とにかく四六時中日本語教育の事を考えているという話を聞くという。常に授業に備えて、メモを携えているのだとか。電車で隣の人が話していることや、中吊り広告のキャッチコピーなど、授業のヒントになりそうなものがあれば、すぐにメモを取る。「だから彼らは、『24時間ずっと日本語教師』なんだと言います。」
「それから、『人間が好き』という方が多い。割が合わない事も多い仕事かもしれないけれども、一度経験したら辞められないって、皆さん一様におっしゃいます。」
他にはこんな事もよく聞くそうだ。
「学生の日本語力が向上していくのを見るのはとても嬉しく、楽しいと聞きます。一方で、こんな風におっしゃる先生もいます。日本語を教えながら実は、自分自身が生徒からいろいろなことを学んでいる、自分も一緒に成長することが出来る」と。
お伺いしていると大変そうな仕事環境のようだが、生身の人間と常に接して、その人間が好きだからこそ叉自分も一緒に成長できるからこそ、楽しんでいける仕事のようだ。
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■■ 却って日本語に興味が沸いてきた |
一方、民間の海外派遣プログラムに参加して、主にボランティアとして現地の小学校、中学校、高校などで日本語(アシスタント)教師を体験する人達の様子も聞いてみた。
「こういったプログラムに参加される方は、将来日本語教師を目指す人もいますが、中には、英語をブラッシュアップする目的で参加する方もいらっしゃるようです。現地に行って、日本について生徒からいろいろ質問されるたびに、母国である日本に関して何も知らないことを改めて思い知らされ、却って以前よりも日本や日本語、日本文化に興味を持つ方も多いようです。それで、帰国してから日本語教師養成講座を受けて、日本語教師を目指す方もいるんですよ」 |
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■■ ステップの踏み方
海外派遣プログラムの体験がきっかけで、日本語や日本語教師に興味を持つ方もいるようですが、その日本語教師になっている人達はどんなステップを踏んでいるのだろうか。
「まずは日本語教師養成講座を受けて、その後、その養成講座を行っている学校や他校の採用面接を受けて非常勤講師になり、経験をつんでから専任になるのが一般的です。最近は知識の補強などのために非常勤講師をしながら、大学院に通う方も多いですね」。
専任を目指す人はかなり真面目に取り組んでいるようだ。いずれにしても日本語教師養成講座はキーワードのようで、それに関してはこんなアドバイスを頂いた。
「日本語教師養成講座に関しては、本当に自分に向いているのかどうかを確認する意味で、はじめから420時間の長期コースを受けるのではなく、まずは短期のコースから受けてみるのもいいかもしれません。学校選びは、まず自分が目指す日本語教師像を描いてから、候補の学校を訪問し、授業を見学したり、先生方と話してみたりして、それがそこで実現できそうかどうかという視点で見極めてみるといいのではないでしょうか」
また、日本語教師になるための情報収集はどうしたらいいのだろう。
「情報収集は、webで検索するなどいろいろな方法があると思いますが、学会や研究会など日本語教育関連のセミナーに参加してみるのもいいかもしれません。研究会の発表内容はとても勉強になりますし、また、そこに出席されている先生方や参加者とのネットワークを作る事で様々なメリットが得られるのではないでしょうか」。 |
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■■ 業界を変えるくらいの気持ちが大事 |
最後にこれからのこの業界で頑張る人に一言。
「良くも悪くもこの業界はまだまだ未成熟な部分があると思います。日本語教師になりたいけれど、待遇面などを気にしてためらっている方もたくさんいるようです。でも、そのような事を含めて、この業界を変えるくらいのパイオニア精神を持っている方達にもっともっと来てほしいと思います。そして、この業界全体をいろいろな面で底上げしていっていただけたら・・・と思っています。」 |
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取材を終えて感じたことは、脇さん自身、自分自身で目標を持ってこれまで人生を歩んでこられた様子が良く伝わってきて、同様に大変魅力のある人に思えた。現在のお仕事を通じて、この業界自体をもっと活性化できればと想っていらっしゃるようですが、日本語教師ネットワークも微力ながらその一員になれるように尽力したいと感じました。
さて、脇さんが勤務されている株式会社アルクでは、日本語教育に関係する情報サイトとしてスペースアルク内の日本語ジャンル(http://www.alc.co.jp/jpn/index.html)内に日本語教師、日本語教育能力検定試験、教材など日本語に関係する情報を提供しています。
その他、『日本語教育を志す人のための大学院セミナー』、『日本語教師のためのブラッシュアップセミナー』などのイベントも執り行っています。 叉、毎月発行される「月刊日本語」では10月号で海外で日本語を教えてみたい人に向けての特集を組む予定だそうだ。興味のある人は是非チェックしてみて。 |
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